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スクウェア「Brave Fencer 武蔵伝」からムサシ召喚。 第一章~旅立ち~ BRAVEMAGEルイズ伝第一章その1 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その2 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その3 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その4 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その5 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その6 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その7 BRAVEMAGEルイズ伝第一章その8
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「宇宙家族カールビンソン」のおとーさんが召喚された話 ルイズのおとーさん-1 ルイズのおとーさん-2 ルイズのおとーさん-3 ルイズのおとーさん-4 ルイズのおとーさん-5 ルイズのおとーさん-6 ルイズのおとーさん-7 ルイズのおとーさん-8 ルイズのおとーさん-9 ルイズのおとーさん-10 ルイズのおとーさん-11 ルイズのおとーさん-12 ルイズのおとーさん-13 ルイズのおとーさん-14 ルイズのおとーさん-15 ルイズのおとーさん 番外編 ルイズのおとーさん ボツネタ
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マジシャン ザ ルイズ 進む 春の使い魔召喚の日、ルイズは召喚に成功した。 そして、それは前代未聞の使い魔の召喚であった。 ルイズが呼び出したそれは、杖を持ちローブを着たメイジらしき色眼鏡をつけ髭を生やした初老の男であった。 周囲を取り囲む学生達も唖然とする、勿論ルイズも。 「あ、あ、あああんた、誰よ」 人間を使い魔として呼び出すなんて、聞いたことが無い。 問われた男は、周囲を睥睨し呟いた。 「………ウルザ」 ウルザはプレインズウォーカーと呼ばれる多次元宇宙を渡る力を得た魔法使いである。 彼はドミナリアと呼ばれる世界に生を受け、彼の弟であるミシュラとの争い―兄弟戦争―の末に大陸一つを吹き飛ばしたことがきっかけとなりプレインズウォーカーとしての力に目覚めた。 それ以後、彼は弟を誑かした機械生命体が支配する暗黒の次元ファイレクシアに復讐を誓う。 そして、数百年にわたる準備の末、他の八人のプレインズウォーカー達と「ナインタイタンズ」を結成し、ファイレクシアの中枢へ攻撃を開始。 戦い、暴走、裏切り。 ナインタイタンズの仲間が次々と無念の内に帰らぬ人となり、ウルザ自身も囚われの身となってしまう。 ―そして、終幕の場面。 ウルザは彼と同様に捕まり、操られてしまった自分の子孫であり同志でもあるジェラードとファイレクシアの闘技場で対峙することとなる。 目前にはファイレクシアの王、宿敵ヨーグモスの姿。 ジェラードを倒しヨーグモスを葬ろうとするウルザ。 しかし、その願いは適わずジェラード首を落とされ彼は長い生涯を閉じたのであった。 (ここは…どこだ? ファイレクシアの闘技場では無いようだが…ドミナリアでもないようだな) 「あ、あ、あああんた、誰よ」 自分を召喚したらしい、桃色の髪の娘が問いかけてきている。 周囲を見回す。 どうやらここは教育施設か何かのようで、周りにいるのは10代の子供達ばかりである。 全員が同じような服装をしていることからも、この推測は的外れでは無さそうである。 例外として一人だけ禿げ上がった成人男性がいるが、これは教師だろうか。 正面に視線を戻し、桃色の娘を注視する。 「………っ!」 ぶるっと震える桃色。 どうやら召喚を行ったらしい娘といい、周囲の生徒といい、マジックユーザーであることは間違い無いようである。 その証拠にマナの流れが感じられる。 それならば、事情を話し協力してもらうことも可能であろうと思い至った。 「………ウルザ」 マジシャン ザ ルイズ (1)ワールド・シフト 「ミ、ミスタ・コルベール!やり直しを!やり直しをさせてください! 何かあの人!…ええと、ミスタ・ウルザ、怖いです!」 色眼鏡で直接に目を見たわけではないが、ウルザに見られた瞬間思ったのだ、「こいつはヤバイ」と。 「こらこら、初対面の人をいきなり『怖い』とは何ですか。 それに召喚のやり直しは無理です、契約をしない限り、進級できませんよミス・ヴァリエール」 そこで、これまで沈黙を続けてきたウルザを口を開く。 「ミスタ・コルベール、この世界は、なんと言うのでしたかな?」 「は?世界?それは一体どういう…」 「召喚の影響で記憶が混乱しているのです、教えていただけませんかな?」 「ああ、そういうことでしたか。 確かにメイジを使い魔として呼び出すというのは前例がありません、そういうこともあるでしょう。 この世界の名前はハルケギニアです。加えてここはトリステイン魔法学院です。」 「ハルケギニア…トリステイン…………聞いたことが無いな………」 それだけ聞くと、ウルザはぶつぶつと独り言を始めてしまった。 「ほら!ミスタ・コルベール!怖いですよ!何かぶつぶつ喋ってるし!あれ絶対マイワールドに引きこもる人種ですよ!」 「だからミス・ヴァリエール、やり直しは認められないと…」 「しかし!」 「ミス・ヴァリエール」 不毛な押し問答が正に開始されようと言うところで、案外早く思考の世界から帰ってきたウルザが声をかけた。 「おおよその状況は把握した。 私と『契約』しなければ、君は留年になってしまう。そして私は記憶が曖昧で右も左も分からない。 利害は一致している。 ここは契約をしてしまうのが丸く収める方法ではないかね?」 「けけけけ、け契約って、そんな!使い魔の契約なのですよ!ミスタ・ウルザ」 「…ふむ、使い魔か、長いこと生きているがそんな経験は初めてだが、中々に興味深い。 少なくとも私を使い魔にすればフェイジングをする以上の働きをしてみせよう」 「で、でも………」 話はメイジと使い魔として契約を結ぶという流れになってきたことで周囲の生徒達が騒ぎ始める。 「メイジがメイジを使い魔に!聞いたことが無い!」「しかもあんな凄そうなのを!」「でもおじさんでしょ?四六時中おじさんと一緒は…」 「つか、あの歳の差でキスは犯罪じゃね?」 ビビクッ! 真っ白に思考停止していたルイズであったが、生徒の一人が発した台詞で我に返った。 (そ、そうよ…わ、私のファーストキスの相手が、あんな、あんなお爺ちゃん…!) 「どうしたのかね。契約をしたまえ、ミス・ヴァリエール」 「早く契約を済ませたまえ、ミス・ヴァリエール」 周囲の生徒達も口々に「契約」と騒ぎ始める。 『契約』…『契約』…『契約』…『契約』…『契約』 ルイズの周囲を『契約』という言葉が渦巻き始める。 それらと場の空気がルイズの乙女心を侵食し始める。 (で、でもでも、メイジと契約しちゃうなんて前代未聞じゃない! もしかしたら歴史に残っちゃうかもしれないし、それにこの人、なんか凄そうな雰囲気だし、もしかしたらトライアングル…いえ!スクエアクラスのメイジかもしれないじゃない! そんなメイジを召喚しちゃう私ってば、もしかしたらスクエアを超える、それこそ虚無の魔法使いとかになっちゃうんじゃないの!? そうなったらクラスの皆に笑われて、ゼロのルイズなんて呼ばれなくて済むわ! わ、わ、私を馬鹿にしてた連中なんてそうなったら、……うふ、うふっ、ふふふふふふふふふふ) 「じゃ、じゃあちょっと屈んで頂けるかしらミスタ・ウルザ」 思考のループに嵌ってしまい口元が緩んでいるルイズであった。 「こうかね?」 「そ、それで大丈夫です」 乙女なルイズが心の何処かで静止しているのを感じるが、暴走した思考は止まらない。 ルイズは呪文詠唱を開始した。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」 こうして彼女は4200歳ほど年上の男と口付けを交わし、使い魔の契約を交わしたのであった。 何事にも不測の事態は起こり得る。起こったならば予測の事態だったことにすればいい。 ――ウルザ マジシャン ザ ルイズ 進む
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「DRAGON QUEST―ダイの大冒険―」のダイ ルイズの大冒険-1 ルイズの大冒険-2
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「あれは平民、にしてはむやみとデカイな」 「傭兵にもどこかの蛮族にも見えるが…大きすぎるぞ」 「巨人か?あれは」 ゼロのルイズと呼ばれ続けた少女、 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」が召喚の儀式の日に 幾度と無く巻き起こした爆発と立ち上る煙の中から現れたもの、 それはスキンヘッドで肥満体でどう考えても美しいとか 神聖とかいう言葉からはかなりかけ離れた、しかもサモン・サーヴァントなど せずとも休日の夜のバーにいけば高確率で発見できるようなオヤジである。 半裸なのとただひたすらにデカイという点を除いては。 「あんた、誰…っていうか人なの?」 「ん?私は死んだはずでは…」 男は周囲を見回しては自分の体をぺちぺちと叩き、実に不思議そうにした後、 傍で男の巨体と見苦しさにポカンとしているルイズに状況を尋ねる。 ルイズ、そして立ち会っている教師のコルベールの説明により ハートと名乗った男は自分が置かれた状況を理解し、一瞬渋い顔になるが 「なるほど、多少不本意ではあるが私は一度死んだ身。 そして君はいうなればある意味、私の恩人みたいなものだ。 こうなれば出来うる限りの事はさせてもらうつもりだよ」と 使い魔になる事をあっさり快諾してくれたのだった。 使い魔になったこのハートという男。 なりは大きく、力も凄いが性格はかなりアバウトでのんびり屋であったので ルイズは使い魔というよりも近所の気のいいおっちゃん的な 感じがしてかなりの安堵と少々のがっかり感を同時に味わったりもした。 「ハート、洗濯は」 「ああ、洗濯かい?もう終わってるよ。他にも用があればなんでも言うといい」 「…やけに手際良いわね、あんた」 「こう見えてもそれなりの地位に居たから 人を使うことにも使われる事にも慣れているからね。 ルイズ君も将来にそなえて精神的な余裕をつけないとねぇ」 「大きなお世話よ」 だがある日、食堂にてトラブルが発生し、さらにそれが ハートとギーシュの決闘という予想外の展開となり、 その予想外がさらなる予想外を生み出すという結果になる… 「君のお陰で二人もレディが傷つく事になった。どうしてくれるんだい?」 と自分の事を完全に棚に上げてメイドのシエスタを責めるギーシュを 「やめなさい!元はと言えば君が二股などという不誠実な 行動をしたのが事の発端ではないか。それを意図せずに たまたま原因になってしまっただけでメイドさんを責めるとは何事かね?」 と至極まっとうなたしなめ方をしたらギーシュはその事と 周囲から笑いものにされた事でますます腹を立ててハートに決闘を申し込んだのだ。 その後、正直言ってギーシュは半分途方に暮れていた。 何故ならこのハートという男にワルキューレの攻撃が少しも効いていないのだ。 「どこからでもどうぞ」 と言われ、遠慮無くワルキューレの拳をハートの腹に直撃させた にも関わらずハートは少しも苦痛を表情に表さずにニコニコと笑いながら言う。 「私は特異体質でね、多少の打撃や刺突、斬撃とかは ゆる~く受け流してしまえるんだ」 さらにギーシュはワルキューレを全部出して総攻撃させるが それでもなおハートの余裕の態度と笑顔は変わらない。 そんなこんなで小一時間… 「君、もうこれくらいで気が済んだかね? 私もいい加減そろそろ疲れて…!」 突如として蹲るハート。 何事かと思えばなんとワルキューレの一体がハートの頭を勢い良く強打していたのだ。 「よく考えればなにもムキになって体だけを攻撃する必要はなかったんだ。 流石の君も頭のてっぺんにまで脂肪も筋肉もつかなかったようだね」 してやったりとニヤリと笑うギーシュ。 「考えた物です。だがまだ……ん…これは…!?」 さらにそれすらも面白いと言わんばかりに不敵な笑みを返したハートだったが 頭にやった手を見てハートは顔面蒼白となる。そして… 「ち…血~~~!」 突如として錯乱状態になるハート。 コントラクト・サーヴァントの苦痛にも ワルキューレの袋叩きにも笑って耐えた巨漢が ごく僅かな傷で半狂乱になっている様はかなり異様であった。 にもかかわらずギーシュはそれを滑稽だとも溜飲を下げたとも思わなかった。 なぜなら次の瞬間… 「いてえ!いてえよ~~!!」 自分を取り囲むワルキューレをその豪腕で 次々と陶器か木製の人形のように容易く破壊していったからだ。 これに当たれば十中八九、いや、十中十命は無い。 もはや今の彼は近所の気の良いおっちゃんなどではなく、狂乱の死刑執行人であり、 やがてワルキューレを破壊し終わったハートはギーシュを猛禽のような目で見据える。 次の瞬間にやばいと感じたギーシュは脱兎の如く駆け出した。 さっきまでとは打って変わってもはや十代そこそこの若者が 貴族の誇りだのなんだの言わせてもらえる雰囲気では無い。 兎どころか馬にも追いつけるのではと思う程の速度で走り出すギーシュ。 蜘蛛の子を散らすように避難を始めるギャラリー。 そして太っているにも関わらずギーシュの俊足に負けずに彼を猛追するハート。 「待たんかい!このクソガキャー!」 「今まで本当に僕が悪かった…謝るよ!」 「世の中謝るだけで済むんだったら役人も軍隊もいらねぇんだよ!」 「無茶苦茶だー!」 二人はあっという間に広場に集まっていたギャラリー達の視界から姿を消し、 土煙とわめき声とたまに人を派手に巻き上げながら遥か彼方へと消えていく… それを呆然と眺めるルイズ、いや、僅かに残ったその場の者全ては思った。 「これは使い魔として当たりなの?はずれなの?っていうかギーシュ大丈夫?」 なお、ギーシュとハートは一週間程して帰ってきたが ただしギーシュは憔悴しきった姿で ハートはなんだか血だらけの姿(ただし血は彼自身のではない)という 双方とも途中で何があったかは本人のみならず周りの人間もあまり考えたくないような姿での帰還である。 「いやあ、私は自分の血を見ると恐怖のあまりに他人の血を 見ないと収まらない殺人マシーンになってしまう悪癖があるんだ」 と少々困ったような笑顔で語るので余計に怖い事この上ない。 こうして騒動は終わり、学院は再び元の平和を取り戻したかのように見えたが あの光景を見てしまっては誰もそうそうに前みたいな接し方など出来ようはずもなく かつて居た場所で「拳法家殺し」と呼ばれた男はハルケギニアにおいて 「メイジ殺し」「脅威の二重人格」という新たなる称号も得る事となり、 さらにはマリコルヌを始めとした物好きから「ハート様」と崇められたりもして 畏怖と恐怖を学院、そしてハルケギニア全土に轟かせ、 良くも悪くも一躍有名人となる。そしてルイズは後に使い魔についてこう語る。 「あの例の悪癖さえなければ結構良い奴なのよね……」 終 「北斗の拳」からハート様
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ルイズが呼び出したのは数十枚の裏の模様が共通の絵札と腕につけ絵札をセットするために作られたような盤だった。 召喚のやり直しを要求するルイズだが監督のコルベールはそれをそれを却下しルイズにそれと契約するようきたした。 しぶしぶといった感じでとりあえず絵札に口付けるルイズ…だが、その途端ルイズは苦しみだし気絶してしまった。 彼女は医務室へと運ばれていった。 なお、使い魔のルーンはコルベールが確認したところ一番上の絵札の表側に刻まれていた… それによりとりあえず進級の方は認められたようだ。 翌日姿を見せたルイズの雰囲気は激変していた… なんというか今まで品位等には気を使っていたのに衣類は雑に着こなし朝から飲酒。 食堂を出た後には完全にふらついていた。 手には昨日召喚した盤をつけていた… さらに最初のシュヴルーズの授業でも明らかにやる気がなくふざけた態度、激怒したシュヴルーズは 周りが止めるのも聞かず彼女に錬金をやらせたが彼女はめんどくさそうに行った錬金は失敗、 爆発によりシュヴルーズは気絶してしまった。 何人かの目にはいつもと違いまるで成功させるという気概さえもないようにさえ思えた… これらのルイズの激変は召喚したのが変なものだったせいで狂ってしまったようだ…と周囲には認識された。 別にもともと問題児だ。気にするほどでもないと大体の者は思ったが… ただ、元々は成績的問題児だったのが素行的問題児になったというのには参ったもんだと思ったようだが… その様子だ…いつ問題ごとを起こしてもおかしくない… 案の定、昼食時に早速厄介ごとが起こった。 食堂でギーシュが2股がばれたのを飲んだくれていたルイズが思いっきり笑ったのだ。 他の連中も笑っていたがルイズの笑いは他の笑ってる人間が笑いをとめてそちらを見るほど大きく 心底から笑っているようだった。まして今のルイズはチンピラの様… 明らかに自分より落ちぶれた人物に笑われ黙っているギーシュではない。 ギーシュは怒りに任せて彼女に決闘を申し込んだ。ルイズはそれをカモが来たのを喜ぶ様に笑い受けた。 ヴェストリの広場にて対峙する2人。まずはギーシュがワルキューレを呼び出した。 所詮はルイズと侮ってるのか彼女を挑発する。 「先に仕掛けたまえ、無駄だと思うがね」 それを聞いたルイズはそれを鼻で笑う。 「いいわよ…あんたこそ一体だけでいいの?それじゃあつまらないわ…」 やや、酔っ払い気味のルイズのその言葉に怒ったギーシュはワルキューレを7体に増やした。 それを確認したルイズは盤に束ねてセットしてあった絵札を一枚抜き盤の別の場所に置いた。 その瞬間、ルイズの前に竜に近い外見で金属製のゴーレムが現れた。 「なッ!?」 絶句するギャラリーとギーシュ。ルイズは相変わらずの調子で言う。 「ねぇ、ギーシュ。あなたギャンブルってやったことある?なんか、急に興味でてきてさぁ…ちょっとやってみない? こいつはね、頭と手のところに弾丸が3発ずつ装填されてるの…最大装填数は6だから確率は2分の1… このギャンブルでやると最大3回一気に攻撃できるの…じゃあ…始めましょうか!ロシアンルーレット!!」 ルイズがそう言うとゴーレムを構成するパーツの3箇所が回転を始める。そして停止。 「2発アタリね…リボルバードラゴンの攻撃!!ガンキャノンショット!!」 銃弾はワルキューレ2体を粉々に打ち砕いた…動揺したギーシュはワルキューレ1体をルイズへと向かわせるが リボルバードラゴンが前に立ちはだかる。 「話聞いてなかった?この方法でやると…つまり普通に攻撃もできるのよ? 一体だけ向かわすなんてお馬鹿さん…リボルバードラゴンの迎撃!!ガンキャノンショット!!」 その攻撃でワルキューレがまた一つ砕かれた。さらにうろたえるギーシュ。 「あらぁ!?何もしないのぉ!?じゃあ、また私の番ね…リボルバードラゴンの銃弾も装填されたし… ロシアンルーレット!」 再び一部が回転するリボルバードラゴン。そしてまた止まる 「3個当たり…ついてるわぁ…ガンキャノンショット!!」 ワルキューレの数は一気に1体になった。呆然とするしかないギーシュ。 「呆けた隙に銃弾装填♪ロシアンルーレット!!」 弾倉が回る…ギーシュに不吉を告げる弾倉が…と、ルイズが口を開いた… 「ああ!言い忘れてたわ!場に撃つ物がなかったらねぇ…撃たれるのはギーシュあなただから」 「え?」 語られた事実に一瞬呆けるもギーシュは慌てて静止をかける。 「ま、待ってくれ!僕が悪かった!僕の負けでいい!謝るから!許してくれ!」 「許してあげたいのはやまやま何だけどねぇ…一度稼動したら止まらないの… これぞロシアンルーレットってことかしらねぇ?」 ルイズは苦笑いを浮かべた。といってもわざとらしい苦笑いであったが… いや…そもそも攻撃が止まらないといっても目標まで変えられないわけではなかったりする。 つまり、ルイズはギーシュの命で完全に遊んでいた… 「そ、そんな…」 蒼白になるギーシュ。そして弾倉の回転が止まり銃声が響いた… 「…アタリは1発…ワルキューレのみ撃破…運が良かったわねぇ、ギーシュ~?アハハハ!」 気絶し下半身を湿らせたギーシュに向かいそう言うとルイズは去っていった… それから数日後… 盗賊土くれのフーケにより学院の宝物庫から黒き召喚の板なるマジックアイテムが盗まれたらしい… ルイズはフーケの討伐に暇つぶしとでもいうように参加した… フーケのアジトと思われる小屋の前でルイズ、キュルケ、タバサは様子を伺っていた。 3人をここまで案内した学院長秘書のロングビルは周囲を偵察してくるいってといってしまっていた 「で、どうするの?」 「誰か一人がいって様子を見てくる」 タバサが提案する。だが、ルイズが動いた。 「まどろっこしいわねぇ…フーケから攻めさせてフーケを倒した後に回収すればいいじゃないの」 「あんたね。いくらなんでもそりゃあ無謀ってもんよ。大体どうやってフーケの方から仕掛けさせるの? 挑発なんて罠があること丸わかりでしょ?」 「ならこうすればいいでしょ」 ルイズは絵札の束からカードを選び出し盤にセットする。 「罠・魔法カード 守備封じ発動!!」 としばらくして、近くの草むらからロングビルが現れた。だが、様子が変だ。 「ちょっと!?どうなってるんだい!?クッ…」 彼女は杖を振ろうとする。だが、表情や時たま起こる硬直からは自身の動きに抵抗しているような節が見られた。 だが、それを振り切るように彼女の手は杖を振る。その瞬間、地面から巨大なゴーレムが出現する。 「なっ!?」 「!?」 驚愕するキュルケとタバサ。だが、ルイズだけはその事実を淡々と享受し嘲笑を浮かべていた。 「なるほど…ずいぶんとせこい真似してくれるわね…ロングビル…いえ、土くれのフーケさん?」 図星をつかれた彼女は顔を歪ませるもどうやらもう自由になったらしい体でゴーレムの肩に飛び乗る 「チィ…まあいい…お前さんの持っているそれはどうやら宝物庫にあった秘法と同じ物らしい… どうやらその絵札がないと使えないみたいだけど…あんたからいただくことにするよ!!」 ゴーレムが向かってくる。だが、ルイズはあざけるかのような笑みを浮かべ新たな絵札を盤に置く 「出てきなさい…デモニックモーターΩ!!」 次の瞬間ルイズとロングビル…フーケのゴーレムの間にどこか禍々しい姿をした光沢を持つ ゴーレムが出現した。それがフーケのゴーレムを迎撃する。 「デモニックモーターの迎撃!!攻撃名は…そうねぇ…ヴァリエールクラッシャー!!」 デモニックモーターの攻撃…ヴァリエールクラッシャーがいとも簡単にフーケのゴーレムを切り裂いた。 フーケは一瞬呆然となるがすぐにゴーレムを再生しようとする。 しかし、タバサとキュルケが捕縛し決着はついた。 ルイズは遊び足りないと呟いたようだが… 「ところで、ルイズ…そのネーミングセンスはないでしょ?」 「別にいいじゃない」 「…いかす…」 「タバサ!?」 フーケを捕らえたあと小屋に入ると黒き召喚の板…ルイズが手につけてる盤と同じ形をしながらも漆黒に染まった それを発見した。ルイズは自分の手にはめているものを外し、絵札の束もそれから外すと 漆黒の盤にそれをさし込み自らの手につける… 「気に入ったわ…」 レコンキスタの間者であったワルドの魔法がアルビオンの皇子ウェールズの体を貫いた。 「これでウェールズの暗殺の任務は完了だ… さて、あとはルイズ…君さえ素直に言うことを聞いてくれればすんなりことは済む… いうことを聞いてくれないかな、ルイズ?」 ワルドがルイズに問いかける。だが、ルイズは体をただ振るのみ… 怯えていると思ったワルドは彼女に優しく言葉をかける。 「怯えなくていい…君が何もしなければ僕も」 と、震えがとまりルイズが顔上げ…そして叫んだ。 「あ~!?ふざけたこといってるんじゃないわよ!!このカスが!! 私はあんた如きの命令をきくなんざクソ食らえよ!!」 「ッ…ならば仕方ない…ウェールズの後を追って…!?」 ワルドは気づく…いつの間にかウェールズのいた場所の付近に霧が出現しているのに… その霧の中から何かが出てくるのに…それはおそらく入れ物…そう思えた… 「皇子様の後ぉ!?何言ってんのよ?ほら~!」 その入れ物が開く…中から現れたのはわけのわからないといった感じの表情のウェールズ。 「なっ!?」 「罠カード発動…タイム・マシーン!!あんたにやられる前の皇子様をおとりにしてそのちょっと前の皇子様を 呼び寄せたのよ…残念だったわね」 「クッ…ならばもう一度!!」 ワルドが杖を振り魔法を放つ。状況を理解してないウェールズは回避できない。と、 「アハハハ!!罠カード発動!!メタル化魔法反射装甲!! 殿下…失礼ですが少しの間、体をメタル化させてもらうわ!!」 ルイズのいうとおりウェールズの体は金属となる…それにワルドの魔法が直撃する。 それを見て愉快そうにしながらルイズはワルドへと口を開く… 「この罠はねぇ…対象の体をを私のモンスターと同じ…対魔法仕様フルメタルに変化させるの… そして…」 次の瞬間、ウェールズに命中した魔法はワルドの元へと反転し向かう。 「魔法攻撃を攻撃してきた馬鹿のほうに反射させるの!! ちなみに私が横に侍らせてるのも反射はしないけど魔法は効かないわよ?残念だったわね。 そしてあんたの魔法の攻撃力を殿下の攻撃力に変換!! 殿下の攻撃力も400ポイントアップした…微弱ながら攻撃力は逆転したわ!」 跳ね返った魔法がワルドに直撃しワルドが消える… 「チッ…遍在か」 「そういうことさ…」 ルイズの前に3人のワルドが姿を見せる。 「本体は別の場所さ…まさか、君がここまでやるとは思わなかった…今回は退かせて貰う」 「逃がすか…くたばれ!カスが!!」 ワルドの遍在…その一人の首に奇妙な輪が装着される。そしてそれが爆発しワルドの遍在一体を消し飛ばした。 「無駄だ…なっ…!?」 瞬間…残りのワルドの遍在が消えた… そして彼の本体は… 「馬鹿な…」 口から大量の血を吐き出し…そして崩れ落ちた… 「フフフ…罠カード 破壊輪…自身の分身で近しい能力を持つ遍在を破壊した… ダメージは甚大でしょうねぇ…生きていても味方に救出してもらえるか…それともそのまま力尽きるか…」 ルイズが対するは7万の軍勢…その軍勢を前にしてもルイズの表情は変わらない。 その表情は相変わらず相手を舐めきった傍若無人なものだった… 「アハハ!…嬲り殺しがいがありそうねぇ…それに上も私一人に殿を任せてくれるなんてわかってらっしゃる!」 ルイズはそういいながらいつものように…それでいて少し厳かに絵札の束から一枚の絵札を選び…抜いた… その札に語りかける… 「あ~…はいはい、わかってるわよ…そろそろ、私を遊ばせるだけじゃつまらなくなってきたんでしょ? …ったく…いいわよ…思う存分暴れ狂いなさい!!」 叫びながらルイズは絵札を漆黒の盤の上に置く…いつもより重たい雰囲気が漂い… そしてそれは出現した…邪悪なる波動を持つ凶つ神… ルイズのコントラクトサーヴァントにより絵札にルーンが刻まれしもの… それを利用し、自らの力を増幅し自らの元々の邪悪なる力と元々の持ち主の病んだ魂の残光によりルイスを蝕んだ… その存在の名は 「邪神イレイザー!!!」 降臨したそれにアルビオン軍は一瞬ひるむ…だが、それに向かっていく… それが圧倒的な存在感を放っていても… と、ルイズが呟く。後から呼び出したリボルバードラゴンの上に乗りながら… 「邪神イレイザーの攻撃力は敵の物量に依存する… あたしを蝕んだ癖にとんだヘボい能力だけど… 相手は7万…敵1つにつき1000ポイントらしいから…7000万…これなら充分やれるでしょう?」 向かってくるアルビオン軍を迎撃せんと邪神は口をあける。 「邪神イレイザーの攻撃!!ダイジェスティブ・ブレース!!」 その攻撃は一気に多数のアルビオン軍を消し去った… しばらくして…邪神は弱っていた…邪神の力は敵が多ければ多いほど高まり少なければまた弱まる… 弱まった邪神は確実にダメージを受けていた。 どうやら魔法に対し抵抗自体は持っているようだがルイズがそれまでに使用した存在たちと違い 完全に受け付けないというレベルではないらしい。 そしてついに邪神が倒れる。 その様子をルイズは笑みを浮かべ見ていた… 「あらら~…やっちゃった♪」 ルイズがそう呟いた瞬間だった…邪神の体からそのサイズを超える量の黒い…血液が流れ出した。 それは戦場一帯に染み込み血の池を作っていく…そして… 「…この馬鹿使い魔はね…やられるとその場にいた他の連中も巻き添えにするの… 味方がいると巻き添えにしちゃうしホントこんな時にしか役に立たないわね!! まったく使い勝手が悪いったらありゃしないわ!! …フフフ…アハハ!!!」 ルイズがそういった瞬間…血の池はその場に存在するすべてを飲み込んだ…主であるルイズさえも… だが、飲み込まれる最後までルイズの顔は快楽に歪んでいた… 数日後…血の池に飲み込まれたはずのルイズはトリステインへと帰還する… その時、彼女の無事を尋ねた者たちにルイズはこう語ったという… 「地獄ってのもなれりゃあ、結構快感なものなのねぇ…何であんなにみんな苦しがるのかしら?」 こともなさ気にそういったルイズに人々は恐怖した… もはや彼女は魔法のつかえない落ちこぼれで嘲笑の対象ではなかった…彼女の方が人々を嘲笑する… 魔法を受け付けぬ鋼鉄の襲撃者達… そして、それをも凌ぐすべてを無(ゼロ)に帰す凶つ神を従える… 敵から希望も命もすべてを快楽を以てして無に帰す彼女を侮蔑の意味を込めて改めてこう呼んだ… ゼロのルイズ…と…
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ハルケギニアの歴史は《始祖ブリミル》から始まり、その三人の御子と一人の弟子が王国を築いて、 現代に至ったと伝えられている。始祖ブリミルはまだ神話の霧に覆われているが、四王国の存在は確かである。 それらは六千年以上前、大陸の西方に起こり、現在も戦乱はあるが続いている。 豊富な記録……精巧な魔法技術の数々……そして何よりも、王国を支える貴族、メイジの存在が…… その強大な王国の権力を表している。 《第一章 ゼロのルイズは如何にして魔法学院で竜を召喚したか》 「始祖ブリミルよ、生ける神よ、貴方と同じく臣にかこまれ、奴婢をおき、杖を振って魔法を使わしめたまえ。 我ら子孫に幸いを与え、祟りなすことなく、王国の繁栄を給わりたまえ。 トリステイン魔法学院の生徒、ルイズが祈りまする。我に『使い魔』を授けたまえ………」 『使い魔』とは、メイジによって召喚される禽獣で、しばしば魔法によって捕らえられ、奴隷やペットにされていた。 この王立魔法学院では、二年生進級の神聖な儀式として、召喚を行うのだが…。 「まて! ちょっとまちなさい! ミス・ヴァリエール!」 桃色の髪の女子生徒、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの魔法失敗は、 ただ魔法が完成しないだけでなく、結構な破壊力の《爆発》を引き起こすのだ。 見かねた教師のコルベールが、彼女を止めた。 「……九十九、百、百一……やっぱり無理だよダメルイズ! もう百一回目のプロポーズだぜ!」 「数えてたのか、暇な奴だなあ」 「呼び出せないと、学院の規定通り、彼女は留年せねばなりません!」 「も、申しわけありません。もう一度だけ……」 「コモンマジックも満足に使えんのか! やっぱり《ゼロ》だ! ワハハハハハ」 もはやルイズは、息も絶え絶えだ。顔は煤と涙と汗でドロドロになった。 周囲の嘲笑が悔しすぎる。唇を血が出るほど噛み締める。 「仕方ないですな……座学は優秀ですし。特例で明日から三日間、補習として猶予を与えます。 それまでに使い魔が出なければ、ヴァリエール公爵家に連れ帰ってもらいなさい!」 絶え間ない上、狙いの定まらない爆発にビクビクしていた一同は、ホッと一息つく。 「ほらルイズ、帰ってゆっくり休んで。いいから、帰りましょう」 友人のキュルケの情けが、なけなしのプライドを引き裂く。もう言葉も出なかった。 夢の中、闇の中。ルイズは、青銅色の恐ろしい顔を持つ悪魔たちに追い回されていた。 人間の心を貪るような異常な造型と、魂をひねり潰すような嘲笑。口からは牙をむき出し、意地悪い視線で蔑む。 (食い殺される! 私が召喚してしまったの? それとも私の絶望と恐怖の産物?) キュルケに、モンモランシーに、ギーシュに、コルベールに似たような、おぞましい顔、顔、顔、顔。 足を滑らせて倒れたルイズに、仮面をつけた半裸の男が顔のついた大斧を振りかぶって、差し出された頚をズンと刎ねる。 「いやっ……いや――――――――――っ!!」 「おはよう、ルイズ。だいぶ、魘されてたわね?」 いきなりキュルケの巨乳が目に入った。もう朝か。 勝手に《開錠》の魔法を使うのは校則違反だが、余程呻いていたのか。 「あ…はあ……夢を……悪魔たちが、私を食べようとして……」 「まあ、可哀想なルイズ! 夢の中でも気が休まらないなんて。でも大丈夫よ、私が応援してあげるから。 けど、運がいいわね。本当は留年だったのに、コルベール先生も人がいいんだから……」 「ツェルプストーに応援されても、あんまり嬉しくないの」 一方、学院長室。学院長オールド・オスマンが、コルベールに成績証明書を見せてもらっている。 「今学年の生徒の出来も、まあまあじゃな。外国人留学生に二人、優秀なのがいるようじゃが……」 「はい、二年生進級も無事終わりそうですが……約一名」 「ヴァリエールのゼロ娘か……ま、これでダメなら諦めもつくじゃろ」 二人は揃ってため息をつく。国一番の大貴族で優秀なメイジの娘が、なぜこうなのか。 「ともあれ、有為な若者を育てる事は、国家のためでもあります。 それは魔法に限りません。学芸、武勇、礼節、倫理、柔軟な発想なども、健全に育成せねば」 「そうじゃのう、近隣諸国との関係もこじれておるし……姫殿下があとを継がれても、これからが大変な時じゃ…… わがトリステインにも、アンリエッタ王女を補佐するすぐれた人物がいればのう…… いやいや、マザリーニ枢機卿はよくやっとるが、政治・軍事をはじめ、より天下のことに通じた知恵者が…… さすればわが国も……」 ドカアアアアンという爆発音が、せっかくシリアスになっていたオスマンのセリフを遮った。ルイズだ。 「ええい、またかね。期限はもう明後日じゃろ? いい加減にしてくれんかのう」 だが、丸二日経ってもルイズは使い魔を召喚できなかった。黄色い朝日が昇る。 「(フラ…)使い魔を……今日中に使い魔を呼び出せないと……人生終了ね……」 ルイズは《ヴェストリの広場》に向かっていった。すぐ爆発音が響き始める。 そこへ、朝食に向かう前のギーシュたちが、音を聞きつけて通りかかる。 「見たまえ皆、あそこにルイズがいるよ。自分の爆発で倒れている。ああ、杖も手落として……」 「そういや、今日中に召喚できないと留年ね。退学かも」 「はああ、可哀想。玩具にするには最適の可愛い娘なのに」 「あんた、そっちだったのキュルケ……」 モンモランシーがスザッと引く。大体フェロモン過多なのだ、この成金ゲルマニア女は。 「まてまて、僕に面白い考えがある」 ギーシュが意地悪く笑うと、モグラの使い魔ヴェルダンデに命じて土を掘らせ、 ルイズの傍まで行かせてから戻って来させる。咥えているのは、ルイズの杖。 「ちょっとギーシュ、今何したの?」 「《錬金》で作った青銅製の偽物の杖と、密かに取り替えておいてやったのさ。 どうせ魔法なんか使えないんだ、杖が偽物なら爆発も起きないし、かえって安全だろう?」 イジメ、かっこ悪い。二人はしらけ切ってそっぽを向く。 「貴族の誇りに何するのよ、馬鹿。付き合ってらんない、行きましょモンモランシー!」 「そうね、頑張ってる女の子に意地悪なんて、人として軸がぶれているわ。ちゃんと返してあげなさいよ」 「ま、待ちたまえ君たち! ああ、ルイズがビックリする顔が見物なのに」 ギーシュは引っ込みがつかず、広場の入り口でうろうろしている。 やがてヨロヨロとルイズが立ち上がり、朦朧とした頭で意識を保つ。体が生命の危機を知らせている。 「もう三日三晩寝てないし、何も食べてない……。 使い魔が来てくれればいいけれど、もし来なければ……このまま……」 悲壮な覚悟で、青銅の偽杖を振り上げる。だがもう、精神力も底を尽いた。しゃがみこんでしまい、動けない。 「ご先祖さま……始祖ブリミルさま……どうかルイズに、使い魔を一体、お与えください…… ああ、気が遠くなってきたなあ……もし神さまがいるのなら……使い魔を………」 「ゼロのルイズ、どうですか?」 ハッ、とルイズが振り向く。声は聞いたことがあるような、ないような。 傍に立っていたのは、六十歳過ぎぐらいの小柄な老貴婦人。杖を持ちマントを羽織って、ルイズを見下ろしている。 学院の先生か、非常勤講師だろうか。そう考えるのが一番自然だった。 「あ……貴女は? なぜ私の名を…?」 「ほら、何かいるわよ」 地面に銀色の鏡が現れ、それが水面のように波立って、ザバッと猿のような獣が現れる。その顔は人間の老人にそっくりだ。 「きゃあ!!」 バシャンとしぶきを上げ、怪物は鏡面に沈む。尻尾がちらりと見えた。 「ふっふっふ、せっかくの獲物を逃してしまったわねえ」 「い…今のは…?」 「気にすることはないの。だいいち、その杖では使い魔は呼べないわ。貴女自身の杖でなければ……」 よくよく手元の杖を見れば、私の杖ではない。誰が取り替えたのだろうか、イジメかっこ悪い。 「心配しないで。私がもっといい場所を教えてあげる。その杖を持ってついておいで」 「あ…あの……? 貴女はこの学院の先生、ですか?」 「いいえ、もっと凄いものよ」 スタスタと先を歩く、余裕綽々たる老貴婦人に、ルイズはピンと閃く。 「貴女はもしや……私の呼び出した使い魔では……?」 「ばかをいわないで、私を使い魔などといっしょにするなんて。 さっき貴女が呼び出しそこなったのは、水中に棲む猿に似た精怪。大したものではないわ」 ズンズン進む彼女に、ルイズは遅れないように着いていく。足も立たないはずだったが。 いつしか二人は学院を離れ、深い山奥へと迷い込む。 「近くにこんな所あったかしら……? いつ霧が……? それに、さっきまでは動くのもおっくうだったのに、今はやけに体が軽い……」 急にガラッと足元の地面が崩れる。あわてて下を見ると、なんと切り立った崖の上だ。 しかも眼前には、洋々たる大海が広がっている。 「こ…これは…? いつの間にこんな所に………」 「ここは《東方》の海の果て」 いつの間にか、老貴婦人は再びルイズの背後にいる。その髪は赤金色に輝き、顔はまるで磨いた銅のようだ。 「と…《東方》…!? しかし、そんな……も…もしや貴女さまは、始祖ブリミルさまですか!?」 「おっと、それは違うわ。まあいいから、そこから使い魔を呼んでみて。貴女は使い魔が欲しいのでしょう」 「で、でもこの杖は……」 「いいからとにかく、私のいう通りやってごらんなさい」 千載一遇のチャンスだ。高貴で強力なメイジが、私の手助けをして下さるとは。 藁をも掴む思いで、ルイズは前向きに気持ちを切り替え、杖を構えた。 「気を抜いてはダメよ。たとえ偽物の杖でも、全身全霊をこめて集中すれば、竜でも召喚することができるのよ!」 「りゅ…竜でも!?」 「そうよ、杖の先、舌の先に全身の魔力を集めるの。 技術も力もいりはしない、ただ召喚をするという、ただそれだけのことを…… 純粋に……強く……念をこらすの」 言われるまま、ルイズは残った魔力を集中する。老貴婦人の鳶色の瞳は、なぜか四角い。 「貴女は、私が始祖ブリミルではないか、と言ったわね? そうじゃない、でも私は、時によってはそれ以上のもの。 私は、貴女の純粋に《生きたい》という気持ち、使い魔を求める心に応じて現れた。 一点の濁りのない、純粋な心で私を求めるなら、私は時には天をも動かす。 けれど、少しでも心に濁りがあるなら、どれほど高位高官の者であろうとも、 始祖ブリミルであろうとも、私にまみえることすらできない」 大海がドオオオオオと大波を立て、崖が震える。しかしルイズの精神は、小揺るぎもしない。 「純粋に……心を純粋にするのよ。一切の邪心も恐れも疑いもすべて捨てて、この大自然の中に身を投ずるの。 どう、海の中が見えてきたでしょう? 杖の先に宇宙を感じるでしょう! さあ、呼んでみて、竜を!」 きた。 逆巻く海面が銀色に光り輝き、その中から巨大な、ワニのような頭部が姿を顕す。 頭には枝分かれした二本の角が、頚には鬣が、牙の並ぶ大きな口の周りには髯が生え、 鼻先に二本の長い鬚がある。眉毛の濃い突き出た眉間の下には爛々と輝く眼があり、 体は蛇のように長く、大きな青金色の鱗に覆われていて、力強い四肢には五本の爪があった。 全長は、何百メイルにも及ぶだろう。まさに竜(ドラゴン)。その神々しい姿に、ルイズは見惚れる。 「そうよ! よく竜を呼んだわ! もし貴女がこの気持ちを忘れず、もう一度私と会うことができるなら、 いずれもっと大きな竜を呼ぶことができるでしょう!」 老貴婦人が嬉しそうに叫び、ルイズの周囲が光に包まれた。 その日の夕方、《ヴェストリの広場》の入り口に、今朝の三人が集まっている。 「なんですって、あのルイズ、まだやってるの?」 「ああ、もう夕方になるっていうのに、あの時のままずーっと杖をかまえて、使い魔を待っているんだ」 「あれから何時間経つと思っているの? 貴方が授業にもこないから、ルイズと浮気しているんじゃないかと思って、 わざわざ様子を見にきたのよ。感謝しなさい!」 モンモランシーが頬を染めてツンデレする。しかし、その間の皆のスルーっぷりが悲しすぎるではないか。 キュルケも肩をすくめ、ため息をついた。 「流石に、杖が偽物なのに気づいたんじゃない?」 「気づいてないよ。呪文をブツブツ唱えながら、気絶したみたいに硬直しているんだもの。 僕はずっと見ていたから知っている。可哀想な娘だね」 「「可哀想なのはあんたよ」」 ハモッてジト眼で二人が睨む。なんという馬鹿だ。 「あ…杖を振るわよ!?」 モンモランシーが動きに気づき、二人もルイズを注目する。 ぼんやりと地面が銀色に光り、鏡となった。三人は予想外の展開に、身を乗り出す。 「何か出てくる!?」「まさか!」「ああっ!!」 鏡面が水のように波立ち、杖を振り上げたルイズの手元に、一抱えもある大きな《鯉》が召喚された。 三人はあっと驚く。とうとうあのルイズが、《使い魔》を召喚したのだ。しかも、自分の杖ではない偽物の杖で。 使い魔が魚ということは、彼女の系統は《水》なのだろうか? 倒れこむルイズをキュルケが駆け寄って支え、ギーシュが大きな金ダライを作り、モンモランシーが水を張る。 《鯉》は青金色の鱗を煌かせ、悠々とタライの中を泳ぎ出した。 このルイズ、魔法成功率の低さから、皆に《ゼロのルイズ》と呼ばれた少女こそ、後の《虚無のルイズ》である。 ルイズは四十五年後、このトリステイン魔法学院で、再び竜を召喚するのである。 (つづく)
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その男は訝しがることもせず使い魔の契約を受け入れた。 どこの田舎者だとルイズが尋ねると、男は辺境の村で農夫をしていたと応えた。 眼に見えて落胆するルイズに何も言うこともせず、その日から男の使い魔としての生活が始まった。 男は有能であった、炊事に洗濯、その他の雑用など男は何も言わず淡々とこなしたし、寝床が床であろうと食事が使い魔のエサであろうと文句一つ言うことすらなかった。 そんな男に馬鹿にされているとルイズが癇癪を起こしたことがあったが、しかしいくら鞭で叩いてもいつもと変わらない陰鬱な表情を崩さない男にルイズの感情は長続きしなかった。 次第にルイズは男のことを気味が悪いと思うようになった。 ギーシュと決闘でそれは頂点に達した。 ワルキューレ達に滅多打ちにされる男、体中から血を流し、常人なら昏倒するほどの傷を受けながら男はいつもの陰鬱な表情をまったく揺らさなかったのだ。 そしてむせ返る血の匂いにギーシュが嫌になり始めたころ。 「気は済んだか?」 ただ一言そういい置いて、折れた足を引きずりながらヴェストリの広場を男は後にした。 誰も一言も口を利けなかった、それは男の雰囲気に呑まれたと言うだけではない。 服が破れ、流れ出た血で赤黒く染まった男の背中には、夥しい数の傷跡が刻まれていた。 その傷の数と、醜く引き攣れた火傷の跡が残る背中が空想のなかでしか戦を知らない若き獅子の子供達を思いとどまらせたのだった。 だがその背中を見ていたのは平和を謳歌する魔法学院の生徒たちだけではなく…… ルイズと男の仲が進展したのは“土くれ”が学院を襲った時である。 これまでルイズは主人でありながら使い魔として男をどう扱っていいか分からなかった。 だが身を挺してフーケの攻撃から庇ってくれたと言うのになんの感謝の言葉も言わないのでは貴族として誇りが許さない。 それからはルイズの別の形で苦悩に満ちた日々が始まった。 どうやって主人と使い魔の形を崩さずにお礼をすればいいのか? そう言うことばかり考える毎日だった。 男の方にもそんなルイズの気持ちは伝わったらしい、いつもの陰鬱な顔を僅かに緩めながら男は今日も雑用と畑仕事に精を出す。 だがもっとルイズは気に掛かるべきだったのだ、どうやって男が破壊の杖――M72ロケットランチャーの直撃を真正面から受けながら僅か全治2ヶ月程度の怪我で済んだのかと言うことを。 そしてついにその時は来た。 「はっはー、燃えろ、燃えろぉぉぉぉ!」 燃え盛る炎、真っ赤に真っ赤に人と家屋と空気を焼き焦がす炎。 その光景を見たとき、男の血は凍りついた。 「――相棒? おい、どうした、相棒!?」 男の異常にデルフリンガーが叫ぶが、しかし今の男にはその言葉は届かない。 「貴様……」 男の声に、先ほどまで炎を撒き散らしながら高笑いを上げていた白髪の男はゆらりと振り向いた。 「ほう、これは見誤っていたようだ。匂いからしててっきり燃えカスかと思っていれば……」 そうして鉄で出来た棍棒のような杖を振り上げる。 「燃え残りの種火の中にこんな極上品が残っていたとはな!」 そしてメンヌヴィルは白く輝くほどの炎を放った、だが今の男にとってそれはなんら障害とは成りえない。 系統魔法を無効化する魔剣デルフリンガーがある上、男にはハルケギニアにはないある技術がある故だ。 男はゆっくりとデルフを構えその切っ先をメンヌヴィルに合わせる、ここ数年ただの一度も抱いたことのない殺意を込める。 不意に視界の端に鏡が映った、おそらく今の自分はおぞましい怪物の顔をしていることだろうと考えて…… 「だめぇぇぇえええええええええええ!」 “頸”を込めた一刀で叩き切ろうとした炎の前に、男の主が飛び出して来たのは次の瞬間のことだった。 まさに刹那の出来事だった。 男を焼き尽くすはずだった炎は一人の少女が身を持って壁となったことで進路を変え、男の隣を通り過ぎていく。 その視界の端には鏡があった、生徒の素行を監視するためその場所で起こったほんの少し前の出来事を記録し映し出す魔法の鏡。 焼け焦げ、爛れたその鏡には男を庇おうとする主の必死の姿と――そして戦魔が映っていた。 「きぃぃさぁぁぁまぁぁぁああああ!!!!!」 男の全ての感情が塗りつぶされる。 主が消えたことでゆっくりと薄れていく左手のルーンがまばゆいばかりの漆黒の輝きを放つ。 それは憎悪。 人一人が紡ぎだしたとは信じられないほどの極大にして純粋な憎悪の輝きだった。 その輝きにその場にいる者全てが心臓の鼓動を打つのさえ忘れ、ただ恐怖した。 炎の蛇もメイジ殺しもそして歓喜に震える白き炎さえ。 自分が死んだと錯覚した。 もっとも血と焔に餓えた盲目の傭兵だけは、二度とその心臓を動かすことはなかったが。 全てが終わった後、男は炎によってルイズの姿が焼きついた鏡を持って姿を消した。 男の名はヴァレル、ヴァレル=アワード。 かつてその陰惨を極める戦い方から戦魔と謳われた一人の傭兵である。 以上、作品は榊一郎氏の「ストラグル・フィールド~鏡のなかの戦魔~」より「戦魔ヴァレル=アワ-ド」を召喚でした。 キャラ的にはコルベール先生とメンヌヴィルを足して2で割った感じの人です。
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強烈な閃光。それが私が見た最後の光景だった。 この日、ハルケギニアの地図上からトリステイン魔法学院は文字どうり消滅した。 ゼロの大統領ー完 「ってそんなのあるかー!」 と、ベッドから飛び起きそのまま転がり落ちるルイズ。 「きゃんッッいたた・・・あれ?」 辺りをキョロキョロ見回すルイズ。 「やっぱり夢?そうよね!夢よね!夢かーって何の夢だっけ?まあいいわ それより明日は大事な使い魔召喚の日だから早く寝なくっちゃ!」 そう言って再びベッドに潜り込みすやすやと寝息を立て始めるルイズ。 だが彼女は、夢は夢でも正夢だったと分かるのはそれから数時間後の事だった。 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 何度も失敗し周囲の黒煙が風に流された後、そこに居たのは一体のゴーレムだった。 「ゼロのルイズがゴーレムを召喚しただと!」 「あのルイズが?」 周りの驚く声など聞こえず、ルイズは自分が召喚したゴーレムをじっと見る。 「あれ?これって・・・・・」 彼女の脳裏に忘れたはずの夢の記憶が映し出される。 『オゥケェェイ、レッッツパァリィィィー!!!』 「ヒッ!」 夢の記憶を思い出したルイズは小さく悲鳴を上げるが、彼女の夢とは違いゴーレムは指一本動かさなかった。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」 その後、コルベールの指示に従い嫌々ながら契約を済ませるルイズだが 「いったーって何で私にルーンが浮かび上がるのよ!」 彼女の左手には使い魔のルーンが浮かび上がっていた。 それを見ていた周りは一部を除いて大爆笑。ルイズとゴーレムを残し皆学院へ帰っていったあと、ルイズは泣いた。 始めはゴーレムに八つ当たりし、喚き散らし、最後にはシクシクと泣いた。 どの位そうしていたか、ルイズはヨロヨロと立ち上がりゴーレムに手を着いた時、彼女は理解した。 今までの彼女なら決して理解できなかった、しなかったであろうことも。 ガンダールヴのルーンの力でこのゴーレム“メタルウルフ”の持ち主の熱き“大統領魂”を。 平和だったハルケギニアの地に戦乱の嵐が吹き荒れる。だが、我々には最後の希望が残されている。 熱き大統領魂を受け継ぐ“メタルウルフ”の使い手。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだ。 これから派手なパーティーが始まるんですね。私もこんな派手なパーティーは初めてです・・・・・ミス・ヴァリエール? 平民の名誉を守るため決闘を受けるルイズ。 「平民を守るのは大統ryげふんげふん・・・貴族の勤めよ」 ヴェストリの広場にギーシュと“メタルウルフ”を着けたルイズが対峙する。 「いけ!ワルキューレ」 『淑女なのは17時までよ!』 ギーシュはワルキューレを一体造りルイズに向かわせるのに対し、ルイズは黒い筒をワルキューレに構える。 『オーケー!レッツパーティー!』 ドカン! 『ビンゴー!』 一撃で破壊されるワルキューレ。その威力に驚くギーシュだが 「それは銃か?威力は凄いがそれで終わりだろう!」 そう言って六体のワルキューレを造りルイズを攻撃するギーシュ。だが、それに対してルイズは 『大歓迎ね、お返しに穴あきチーズにしてやるわ!」 ドガガガガガガガ!!! 武器を持ち替えたルイズが発砲。ワルキューレは粉々になり、穴あきチーズになったのは学院の一部と宝物庫だった。 その様子を遠くから見ていたメイドは、ぽつりと呟いた。 「前々からこんなに壮観なトリステイン魔法学院を壊したら、どんなに綺麗かと気になっていたんですよね」 宝物庫損壊の隙をつき、破壊の杖を盗み出す土くれのフーケ。 それを追うルイズたち、破壊の杖を取り戻すもその直後襲い掛かる巨大ゴーレム。 巨大ゴーレムの攻撃に対し、それを正面から受け止めるルイズ。 『見なさい!これがヴァリエール魂よ!』 そう言って巨大ゴーレムをぶんぶん振り回しぶん投げるルイズ。 ありえない光景にあんぐりと口を開けるキュルケとタバサとシルフィードとフーケ。 「私を捕まえないのかい?」 『私たちが受けたのは破壊の杖を取り戻すことよ。それにあんたは根っから の悪人には見えないし』 破壊の杖を取り戻して数日後、アンリエッタ姫殿下の密命を受け婚約者のワルド子爵、途中からキュルケ、タバサ、そして なぜかいるギーシュたちと共にアルビオンへ向かうルイズ。 だが、そこで待っていたのは婚約者の裏切りだった。 「んふはははははは。ルイーズ!」 「ワールドー!」 密命の為“メタルウルフ”の無いルイズは、ウェールズの命を懸けた行動により逃がされ、キュルケたちと合流し アルビオンを去ることしか出来なかった。 アレから数日後、不可侵条約を破り侵攻するアルビオンの艦隊。 『親愛なるトリステインの皆さん、私はレコン・キスタの一市民としてこのような状況は非常に残念です トリステインの女王にそそのかされた人々よ、思い出して欲しい“正義の心”を、ハルケギニアを思う心を 今投降すればまだ罪は軽いはずだ。貴方たちに“正義の心”が残っているならばその女を捨てて 17:00までに投降しなさい。これは最後通告です。合言葉は“ウィー・ラブ・クロムウェル”』 そのような言葉になど従わず攻撃を開始するが、圧倒的な火力の差によりほぼ壊滅状態のトリステイン艦隊。 「いくらあなたでもムチャよルイズ!」 『ムチャではないわ!なぜなら私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだからよ!』 「ちょっと、まちなさいルイズ!」 『キュルケ、ちょっとタルブまで行って来る』 戦火の火が迫るタルブの村では、シエスタがある決意をしていた。 「招待したわけでもないのにずうずうしいですね・・・・・お爺ちゃん、これ使わせてもらいます」 そう言って伝説の竜の骸、灰色の“メタルウルフ”に乗り込むシエスタ。 『ンフハハハハ!レッツパーリィー!』 アルビオンの艦隊旗艦レキシントン号に突撃するルイズ。 『ナイスランディング』 次々に現れ取り囲む敵兵に対して、ルイズは不敵につぶやく。 『ようこそ、トリステインへ。ハローボーイズ、そしてそのままおやすみボーイズよ』 ドガガガガガガガ!!! 待ち構えていたワルドと最後の戦いを繰り広げるルイズ。 アルビオンの艦隊はシエスタの“メタルウルフ”に落とされ、旗艦レキシントン号はルイズとワルドの戦闘により 落ちていくが、その際暴走した風石によりはるか高くへ飛ばされてしまう。 『これがハルケギニア・・・綺麗・・・』 「美しい・・・だがその下では醜い争いが起こっている、いまの我々のようにね さあ、これが最後の戦いだ!」 決着はルイズの勝利に終わる。風の魔法を使って息をするのがやっとの状態では、大気圏突入の摩擦熱までは防げなかった。 ワルドがこのまま燃え尽きるのかと覚悟した時、ルイズが救いの手を差し伸べる。 「ルイズ・・・・・なぜ」 『貴方がハルケギニアを思う気持ちは本物だった。けど、貴方は方法を間違ったのよ』 だが、ワルドはルイズの手を突き飛ばし、最後の力を振り絞り風をルイズの周りに張り巡らせる。 「さよならだ・・・・・僕の小さなルイズ」 『ワルドー!』 そのままルイズはハルケギニアの地に落ちてゆく。 『ルイズさん、ルイズさん、答えてくださいルイズさん!』 シエスタの応答にルイズが答えることは無かった。だが、ルイズを知る者は誰も彼女が死んだとは思わなかった。 あのルイズがこんなことで死ぬはずがないと。 「人間が!この包囲から抜けられると思うなよ!」 『ノープロブレム。熱々のローストチキンにしてやるわ!』 ゼロの大統領ルイズ変 メタルウルフルイズー完
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※カオスシードより飛天石を召喚 ルイズ風水回廊記-01 ルイズ風水回廊記-02